| 盛り上げ |
陶磁器の表面を立体的に装飾する技法。
イッチン盛り上げ*、貼り付け盛り上げ、筆（刷毛）盛り上げなどがある。オールドノリタケの最も代表的な技法で、極めて緻密で繊細な盛り上げに金彩や色彩、ジュールなどが施された鮮やかな装飾美が特徴。
欧米でも「MORIAGE」という名称で親しまれ、高く評価されている。
＊イッチンと呼ばれる絞り口を通して、盛り絵具（粘土を水で整えた泥漿）を
ケーキのデコレーションクリームのように絞り出し、点、線、面を盛り上げていく技法。 |
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| ビーディング（金点盛り） |
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盛り上げ技法の一種で、イッチンを使用して点状に盛り上げを装飾する技法。
主にその上に金を被せて塗っていくため、金点盛りとも言う。また、水色の泥漿で点盛りしたものは、水の泡のように見えることから「アクアビーディング」と呼ばれている。
この点盛りの作業は、大きさや間隔を正確に揃えるため、丹念に行わなくてはならず、職人技と呼ぶにふさわしいものである。 |
| ウェッジウッド風 |
藍色地にカメオ細工に似た白いレリーフ装飾を施す技法。
藍の生素地本体に、白く焼きあがる泥漿で、筆や箆を使って直接模様や絵柄などを付け、細かな点や線はイッチンを使って仕上げる。
イギリスの製陶会社ウェッジウッドが開発した技法によく似ているためこう呼ばれているが、ウェッジウッド社のものと比べて彫りがなだらかで全体的に優しい印象があり、筆むらやイッチンが併用されている。 |
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| ポートレート（転写） |
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同じ絵柄を大量に絵付けするための技法。
絵柄が印刷された転写紙を器に貼り付けてから水で濡らし、しばらくして紙を剥がすと器の上に絵柄が転写される。海外製の作品にも全く同じ絵柄のものがあることから、転写紙を輸入していたのだと思われるが、オールドノリタケの製品は転写単独だけでなく、他の技法や金、銀、多色と極めて精緻な印刷技法が用いられている。1918（大正7）年頃からは、自社での転写紙製造も始まっている。 |
| タピストリー |
素焼きの前にまだ柔らかい素地の表面に、麻布のような粗い布地を貼り付け押し当てることにより布目を付け、焼成し、その後彩色する技法。
表面が絵画のキャンバス地のようになるため、艶のないマットグレース釉等で風景や花などを描くことで、より絵画的になる。加えて、その特徴を際立たせるため、布目部分には釉薬を施さないものが多い。
この技法を使用した作品は多く作られていないため、希少性が高い。 |
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| 金盛り |
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イッチンを用いて点や点線、絵などを泥漿で薄く抑えて描いた盛り上げの上に、金化合物である金液（水金）*を筆などで被せ塗り焼成することで、金で盛り上げたように見せる技法。焼成後、メノウで磨いて光沢を出す。上品な輝きのある金彩をむらなく広範囲に焼き付けることにより、絢爛華麗な雰囲気を醸し出している。
＊オールドノリタケに多用されている金彩の顔料。
金の延べ棒を王水（濃塩酸と濃硝酸を体積比で3対1に混ぜた溶液）で溶解し、
液状にしたもの。 |
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