伽羅(きゃら) 産地 ベトナム南部高地 特長 香りの生成に長い年月を要す為、非常に多様で複層的な香りを持つ。 産出量が僅少で、古来よりその価値は金に等しいとされてきた。 日本の香り文化の中心素材としてなくてはならないもので、供給が減少の一途をたどる現在、「馬尾蚊足」の如く大切に扱わねばなりません。 |
沈香(じんこう) 産地 フィリピンを除く東南アジアの全域 特長 樹木内に樹脂が長い年月をかけて形成、熟成されて良質の香材となる。原木自体は軽いが、樹脂が沈着した部分は重く水に沈むため沈水香と呼ばれる。 常温ではあまり香らないが、加熱すると幽玄な香りを発する。伽羅と同じく鎮静効果に優れる。 |
白檀(びゃくだん) 産地 インド、インドネシア 特長 幹部の芯材を削り出し、十分乾燥させ、角割・刻みなどにして使用する。仏像などの彫刻、扇子、念珠など幅広く利用され、匂香や焼香など、調合香の中心素材でもある。防虫効果にも優れ、正倉院御物にも添えられた。甘く爽やかな香りをもち、インド南部産のものが最上品とされ、老山白檀とよばれる。精油としての使用も多い。 |
写真・協力 山田松香木店 |
没薬(ミルラ) 産地 アラブ地方、アフリカ 特長 最古の香料の一つ。 ミイラ作りに防腐剤として使用された。 鎮静・鎮痛に薬効あり。 |
乳香 産地 アラブ地方、エチオピア、インド等 特長 没薬と同じく最古の香料の一つ現在でもキリスト教の教会などで焚かれる 。 |
薫陸 産地 インド、イラン、インドネシア他 特長 樹脂が土中に埋没して生じた半化石状樹脂。正倉院にも保存。 五香の一つとして重要な香料だったが現在の使用量はそう多くない。 |
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龍脳 産地 インドネシア 特長 白い鱗片状の樹脂の結晶。芳香は涼やか。焼香や線香など用途は広い。 防虫・防腐効果に優れる。 |
安息香 産地 タイ、インドネシア等 特長 薫香の保香や化粧品などに用いられる。 甘い香りで、呼吸器系に薬効あり粉末にして使用することが多い。 |
桂皮 産地 スリランカ、中国、ベトナム 特長 用途が広く様々な香製品に使われる。生薬として健胃にも用いられる。 |
丁字 産地 モルッカ諸島、インドネシア、 東アフリカ 特長 蕾が釘の形に似ているため丁字の名がついた。胡椒と並ぶ代表的スパイスで料理にもよく使われる。防腐剤や健胃にも効果がある。 |
鬱金 産地 インド、南アジア 特長 平安時代には五香の一つとして重要だった。香料や染料、薬材として使われる。カレー粉の原料として有名。生薬として健胃に薬効がある。 |
甘松 産地 中国、インドなど 特長 香料としては根が適しており、茎は生薬として鎮痛、健胃に用いられる。 単独では芳香といいがたいが、他の香料と組み合わせると香に厚みが増すため、調合香に多用される。 |
山奈 産地 中国南部 特長 輪切りにし、乾燥させて用いる。 防虫効果があり、衣類の虫除けにも使用される。 |
排草香 産地 中国 特長 清涼感のあるクールな香り。粉末にして調合香に使用される。 |
カッ香 産地 インドネシア 特長 香料としては精油が主であるが、調合香にもよく使用される。 パチュリーの名でよく知られる。防虫、解熱、鎮痛に効果あり。 |
零陵香 産地 中国 特長 甘松と同じく香りが強烈で、スパイスとしてカレー粉などにも使用される。 |
大茴香 産地 中国南部、インドシナ半島北部 特長 八角の星型をしており、中華料理のスパイスとしてよく利用される。 防腐や生薬として健胃に効果あり。 |
貝甲香 産地 アフリカ 特長 粉末にして調合香に用いる。保香剤として重要な役割を果たす。 |
麝香 産地 中国、ネパール、シベリア 特長 麝香自体は芳香とはいいがたいが、極度に薄めると見違えるほどよい香りになり、保香剤として広範に使用される。 非常に高価で高級品以外では合成麝香が用いられる。 強心剤として漢方でも使用される。 |
龍涎香 産地 南洋 特長 抹香鯨の消化器内に生じるロウ状物質。 保香に用いられ、麝香とともに動物性香料の双璧をなす。 強心、鎮痛に薬効あり |
一角 産地 北氷洋 特長 イッカクの雄の門歯が発達したもの。長さは約2メートル。 解熱、解毒作用がある。 |
牛黄 産地 オーストラリア他 特長 牛の胆嚢又は輸胆管内に生じた結石。 球形又は塊状で直径1〜4cm。 解熱、鎮静、強心作用がある。 |
写真・協力 山田松香木店 |